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システムの変動は、環境条件の変化に応じて、ただ機械的に進行するわけではない。新たな制度の導入は、市場や技術の変動の大きさといった客観的要因に左右されると同時に、システムを構成する諸個人の選択の結果でもある。
つまり、システムの機能の低下をどのようなものとして認識するのか、何を新たな目標とするのか、そのためにシステムをどのように変革するのか、その制約は何であり、その上で何が可能であるのかといったことに関する人々の思考と行動の結果でもある。しかし、われわれを覆うのは、この点に関する見通しのなさでもある。
つまり、自分たちのシステムの未来展望のなさであり、何を目的とするかに関する意見の不一致や混乱である。この意味で、現在の見通しのなさは、市場や技術の要因にかかわる不確実性のゆえであると同時に、何をシステムの価値とするかに関する確信の欠如のゆえでもある。
もしわれわれの前提となっている価値が雇用の安定ということにあるのなら、確かにその確信は急速に失われつつある。慣行の破壊と「確信の危機」70年代、80年代の変動は、雇用の安定は維持すべきもの、それは日本的経営の最優先の事項であるとの合意の下での調整であったとみなしてよかった。
雇用の安定を維持するために、緊急避難的にあるいは限界部分での調整が必要である、といった合意が成立していたといってもよい。しかし、現在の変動には、このような合意があるわけではない。
むしろそのような合意は成立しない、といった気分が蔓延しているのである。この結果、ただ雇用の不安が前面に押し出されることになる。
それはただ、見通しのなさを増幅するだけとなる。将来の見通しのなさ、これは雇用システムだけではなく、現在の日本経済そのものの姿である。
その理由は将来のますます増大する不確実性にあるとしても、不確実性そのものは経済にとっては不可避である以上、問題はそれにどのように対処するのかということにある。一般化していえば、不確実な未来に対して、人は将来を予想し、期待に基づいて行動する。
しかし当然のことであるが、客観的に正しい予想があるわけでなく、人はあくまで自ら立てた予想の確かさを確信して行動できるだけである。この確信が失われるとき、期待は挫かれ、将来はただ不確実なものとなる。
このような状態をかつてKは「確信の危機」と呼んだ。
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